
あなたは車、運転されますか? 免許を取り立ての方ならまだ覚えておられると思いますが、免許を取ってだいぶ年が経っているという方は、交通規則の細かいところまでは頭の中に残っておられないのではないかと思います。
今日はそんな交通規則の中から、「標識が無くても駐禁になる場所」をご紹介したいと思います。
◆標識が無くても駐禁になる場所! 覚えてますか?
車を停めようとする場所が駐車禁止か、駐停車禁止か? もしくは8時から20時は駐車禁止でも20時過ぎの夜は路上駐車しても駐車禁止にはならない……など。特に都心部は規制時間まで絡み合った複雑な駐禁事情があります。
しかし大抵の場合、駐車禁止となる場所には標識が立っています。ほとんどの場合がこの標識によってそこが駐禁や駐停車禁止であることを知るのですが、実は駐車禁止のエリアであっても標識が立っていない場所があります。例えば道路に設置されている設備や施設の周辺になりますが、以下のような場所は駐車禁止です。
●範囲の小さい物から順番に並べてみると
・1m以内:火災報知器
・3m以内:自動車用出入口、バスやトラックの営業所
・5m以内:交差点やその前後、横断歩道やその前後、自転車横断帯とその前後、曲がり角、道路工事区域(現場)、消火栓
交差点や横断歩道、消火栓などは意識することが多いので気を付けている人も多いと思いますが、道路工事区域も同様に「5m以内」は以下の図のように駐停車禁止となります。道路工事の現場では工事用車両などが出入りすることも多いので少しの時間でも駐停車をすると迷惑になります。

・10m以内:踏切やその前後、安全地帯の左側やその前後、バス停などの停留所
ここで重要なことは、「〇m以内」の定義です。単に文字だけで「5m以内」などと書かれていると、イメージがしにくいかもしれませんが、例えば「バス停や都電停留場から10m以内は駐停車禁止」という場合、バス停を中心に「【半径】10m以内」のエリアが駐停車禁止となります。つまり、自分が車を停めようとした側の道路にバス停がなかったとしても、その場所が対向車線のバス停からでも半径10m以内に入っていれば、駐停車禁止の場所になるというわけです。なお、バスの運行時間外なら、駐停車禁止とはなりません。
◆まだある! 忘れやすい駐停車禁止場所
・右側駐車
右側駐車とは、進行方向とは逆の方向で車を駐停車させることです。道路交通法第47条の2に「駐車するときは、道路の左側端に沿い、かつ、他の交通の妨害とならないようにしなければならない」とあります。右側に駐車していいのは一方通行の道路のみということになります。(実際、広い一方通行の道路では、両側にパーキングメーターが設置されているところもあります)。たとえ自宅の前であっても、右側駐車は違反切符を切られる対象となります。東京都内の民間法人に在籍する駐車監視員の方の話によると、
「反対向きに停めたほうが作業がしやすいなどの理由で、右側駐停車をしている車をたまに見かけますが、こちらは短時間であっても駐車違反となります。また、右側駐車をする瞬間を警察官に見られると指定方向以外の走行(いわゆる逆走)とみなされるケースもあります。右側駐車は歩行者や自転車にとっても大変迷惑で危険な事故につながることも多々あります」
ということです。
・坂の頂上付近や勾配の急な坂(上り/下り)
これは意外に忘れている人が多いようです。坂道は駐停車禁止だと覚えておきましょう。ちなみに、「勾配の急な坂」というあいまいな表記がされていますが、各都道府県の学科教本には正確な角度で「8-10度以上」「6度以上」の坂を「急な坂」と定義しているケースが多いようです。
6度で急坂? などと思ってしまいそうですが、実は6度でもかなりの急坂です。箱根駅伝でおなじみの「心臓破りの坂」と言われている坂で7〜8度といったところです。坂道の頂上付近も駐停車禁止場所です。坂の頂上は先の見通しが悪く、後続車にとっても大変迷惑で危険な存在になるので、右側に余裕があっても頂上付近には駐車しないようにして下さい。
駐停車禁止に指定されていないような坂道であっても、駐車する際は坂道の途中で停めた車が動き出さないよう、MT車では上り坂ではロー(1速)ギヤ、平地や下り坂ではバック(R)ギヤに入れて停めます。また、AT車は坂道でも平地でも、停める際にはシフトレバーをパーキング(P)レンジに入れて停めます。教習所ではさらに「坂道では輪止めをする」と教わっていると思います。
・トンネルの中
トンネル内はどんなに広くて明るいトンネルであっても、駐停車は禁止です。トンネル内の駐停車は高速道路以上に危険が高いとされています。高速道路のように路肩に十分なスペースがない場合が多く、照明も薄暗く視界が悪いことから、駐停車は大事故につながる危険性があるからです。トンネル内で異常が発生した場合は、すぐにハザートランプを点灯して後続車に異常を知らせましょう。そしてゆっくりでも走行が可能なようであれば、トンネルの外に出るか『非常駐車帯』に車を停めて安全な場所に避難するようにして下さい。
いかがですか?
忘れていた駐車禁止の場所、ありましたか? 交通事故を防ぐためにも交通規規則をしっかりと遵守して、安全運転して下さいね。
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