2020年02月13日

物忘れと認知症の違いは何だと思いますか?


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 私たちが歳を取って行くと一番心配なのが、認知症ではないでしょうか。実は、厚生労働省によると、日本の認知症患者数は2012年時点で約462万人、65歳以上の高齢者の約7人に1人と推計されているそうです。また、認知症の前段階とされる「軽度認知障害」と推計される約400万人を合わせると、高齢者の約4人に1人が認知症、もしくは予備群ということになります。2025年には、700万人に達するとも言われています。

 そんな認知症ですが、では私たちも時々ある「物忘れ」と病気としての「認知症」は、何がちがうのでしょうか。 今日は、メディア出演実績も多い平松類医師の著書、『認知症の取扱説明書』(SB新書)の中から、「物忘れ」と「認知症」の違いについて、ご紹介したいと思います。

◆「物忘れ」と「認知症」の違いとは
 平松医師によると「思い出せない」のが物忘れで、「覚えることすらできない」のが認知症だということですが、しかし、その識別は簡単ではないそうです。曜日や月日の感覚が低下するのも、認知症が原因か老化によるものかわかりにくい場合があるからです。

「さすがに実の子供の名前も忘れたとなると、認知症の疑いがかなり高くなります。これはとてもショックですが、もちろん悪気はありません。人の名前は忘れやすいのです。でも、あなたとの思い出や気持ちはどこかに残っています。認知症一つにしても、原因疾患から『アルツハイマー型認知症』『レビー小体型認知症』『脳血管性認知症』などに分類され、70種類近くあるともいわれており、識別も結構難しいのです。」(平松医師)

 私たちの感覚としては、「病院で診断してもらえばすぐにわかる!」と思いがちですが、診断が同じ結果になるということでもないようです。というのは、基準がいくつか存在し、どの基準を選ぶかは医師の自由だからだそうです。

「かなり進行すれば、誰が診ても認知症と診断します。初期の認知症では、『認知症』と診断される一方で、他の医者からは『認知症ではない』と言われるということが起きています。簡単にいうと認知症は『脳に問題があることから、記憶や判断に問題があって、日常生活に支障が出る』という状態を指します。大切なのは、『日常常生活に支障が出ているかどうかを把握すること』です。」(平松医師)

 そこでポイントになるのが、「普通の物忘れ」と「認知症」の違いで、その簡単な見分け方は次のとおりです。

「普通の物忘れは、は物忘れをしている自覚があります。旅行をした時に何を食べたかを忘れるのが『物忘れ』、旅行したこと自体を忘れるのが『認知症』です。このような記憶や場所がわからなくなったり、見えているはずのものが見えていなかったり、会話が成立し
なくなることが認知症の主な症状です。」(平松医師)

◆手で鳩が作れなければ認知症の疑い
 自分の肉親が認知症かどうか心配になった時、病院での受診に抵抗のない人は問題ないのですが、しかし、もの忘れ外来や認知症外来にかかろうとすると、強い抵抗を受けることがあるそうです。「お父さん受診したほうがいいよ!」と娘、「ハァ?俺を誰だと思ってるんだ。バカにすんじゃねぇ!」と父。といったことになったら、どうしたら良いのでしょうか。

「本人の頃合いを見るしかありません。『同い年の○○さんも認知症になったでしょ!大丈夫だと思うけど、念のために受けておかない?』と。このように説得してみてはいかがでしょうか。または、『今は問題ないけど、いざという時のために定期的にチェックしてもらう』という名目にして、実際にチェックしてもらえればOKです。」(平松医師)

「さらに、『狐−鳩テスト』といって、手で鳩の形ができるかを見るというのもいい方法です。『狐−鳩テスト』のようなものは、『試験』をするより『遊び』としてやってみることになりますから、嫌がられることは少ないです。手で狐の形や鳩の形をしてもらうと、鳩の形は認知症の初期の段階で、すでにしにくくなることがわかっています。」(平松医師)

 いかがですか?

 家族が認知症を発症すると、多くの問題が発生するのは間違いありません。あなたのご家族が認知症を発症した時に、「周囲はどうすればいいのか」「本人は何をすべきか」がわかる、平松類医師の著書『認知症の取扱説明書』(SB新書)は、良い参考書となるのではないでしょうか。

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posted by ケイちゃん at 18:07| Comment(0) | 病気 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2020年02月05日

毒舌な人やブラックジョークが好きな人は、認知症リスクが3倍だそうです


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 歳を取ってできたらなりたくないのが、認知症ではないでしょうか? 実は、毒舌やブラックジョークと認知症の間に関係性があるそうです。

 今日は、医師でジャーナリストの森田豊(もりた・ゆたか)さんのお話をもとに、毒舌な人と認知症の関係について、ご紹介したいと思います。

 イースト・フィンランド大学神経学のエリーサ・ニューボーネン博士らの研究チームが、東フィンランドに住む平均71歳の高齢者男女、1449人を対象に、考え方が皮肉っぽい人と、認知症の発症率を調査したそうです。

 その結果ですが、約8年間の追跡調査を行ったところ、考え方が皮肉っぽい人は、そうでない人たちに比べて、3倍も認知症が発症しやすかったとのことです。喫煙の有無や、コレステロール値の高さだけでなく、性格も認知症の発生にかかわることが明らかになったのです。

 昔から、明るく健康的な笑いは健康につながると言われてきましたが、それを裏付けるような報告も、出てきているそうです。それは、笑うことで、ナチュラルキラー細胞という免疫細胞が活発に働き、体を守ってくれるというものです。

 ですから、あなたがもし、どぎついブラックジョークを思いついたとしても、それを明るく楽しいジョークに変換できるようになれば、認知症のリスクは3分の1になるかも知れません。

 森田先生によると、毒舌やブラックジョークを良くする人が認知症になりやすいのは、その人たちが皮肉って他人を傷つけようとしていて、自分はそんなに笑いながらしゃべっているわけではないからだそうです。そのため、脳の一部だけを酷使していて、認知症になりやすいということです。ですから、誰かを傷つけるような笑いではなく、場をなごませる笑いを提供できるように、努力した方が良いと言えます。

 また森田先生によると、認知症の原因で最も多い「アルツハイマー病」の予防対策として、よく挙げられる方法が幾つかあるそうです。

(1)人と接して会話を楽しむこと。1人暮らしで引きこもりの人など、対人接触が乏しい人は、アルツハイマー型認知症の発症率が8倍高くなると報告されています

(2)1日1回以上、魚介類を食べる人に比べ、ほとんど食べない人は同型認知症の危険が5・29倍になる。これは魚に含まれているEPA(エイコサペンタエン酸)やDHA(ドコサヘキサエン酸)によるものと考えられます

(3)本を読む習慣のない人を100%とすると、本を読む習慣のある人の危険度は65%に減る。同じくチェスなどのゲームをする習慣のある人、楽器などを演奏する習慣のある人の危険度は20〜30%に減る

などです。

 いかがですか?

 毒舌な人やブラックジョークが好きな人は認知症になりやすいというのは、ショックでね。私もできるだけ、場をなごませるような笑いを提供していきたいと思います。

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posted by ケイちゃん at 17:17| Comment(0) | 病気 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2020年01月20日

あなたの町のお医者さん「開業医」は、どのように選んだら良いと思いますか?

 あなたは、普段、通っている近所のクリニック、どのように選んでいますか? 日々の生活の中で健康面の不具合が出てきたときは、アクセスの良さや受診料から考えても、大きな病院ではなく開業医(クリニック)への受診をまず考えるのが普通だと思います。

 でも開業医も本当に“ピンキリ”で、名医もいれば“ヤブ”レベルの医師もいるのは確かで、患者の立場からすると、開業医こそ選択の余地が大きいので、しっかり選んでいきたいものです。

 そこで今日は、賢い「開業医の見分け方」について、医療コンサルタントの鈴木 英介(すずき・えいすけ)さんのお話をもとに、ご紹介したいと思います。

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◆診療科のてんこ盛りに気をつける
 街中で、「内科・外科・アレルギー科・皮膚科」みたいな看板を見たことはないでしょうか? このような診療科の掲げ方をして一人の医師が診ている場合、色んな科の病気を診ることができる良医と思われるかも知れませんが、しかしながら、このような診療科の“てんこ盛り”を見た場合は、注意が必要だそうです。

 実はあまり知られていないことなのだそうですが、驚くべきことに、専門のトレーニングを積んでいなくても、医師は“勝手に”診療科を名乗ることができるのだそうです。

 つまり、ついこの間まで、精神科のトレーニングしか積んでいなかった医師でも、明日からいきなり眼科の看板を掲げることができてしまうということです。極めて非合理的なルールなのですが、未だに日本の医療制度の中に存在しているそうです。

 したがって、診療科のてんこ盛りをしている開業医が、すべての科に専門性があるかについては疑問符をつけざるをえず、むしろ専門性の所在がはっきりしないという意味では、選択しづらいと感じてしまう看板だと言えます。

◆専門医資格はやはり大事
 眼科、耳鼻咽喉科、皮膚科、精神科など特殊性の高い科については、診療科の表記だけでなく、「専門医資格」の有無のチェックを確実にする必要があるということです。これは、前述のように、専門のトレーニングを積んでいなくても、その診療科を名乗れてしまうからです。

 開業医であれば、たいていの場合その医院のホームページに医師のプロフィールが明記されていますので、そこでどのような専門医資格を持っているのか、どういった病院で診療をしてきたのかをチェックできます。

 また、各学会が専門医のリストを出していますので、特定の医院が頭に浮かんでいない時は、こちらから調べるのがおススメだそうです。

■眼科:日本眼科学会 専門医一覧
■耳鼻咽喉科:日本耳鼻咽喉科学会 専門医名簿検索
■皮膚科:日本皮膚科学会 皮膚科専門医MAP
■精神科:日本精神神経学会 専門医・指導医検索

 鈴木さんによると、「専門医であれば絶対にOK」とは言い切れないそうですが、専門医資格のない医師よりは「当たり」の確率はずっと高いはずだということです。

◆内科医は「出自」を見分ける
 開業医の名乗る「科」は千差万別ですが、中でも「内科」の数が一番多いそうです。厚生労働省が出している「診療科名別にみた医師数」で見ると、2016年12月時点の開業医の数は、日本全体で9万5213人。そのうち、「内科」をメインとしている医師は実に3万9374人を占めています。

 あなたも、風邪などひいたら、とりあえずは近所の内科に行こうと考えるのが普通ではないでしょうか。

 内科の開業医を選ぶ際には、その医師の「出自」、すなわち内科の中でも何の内科を専門としてきたのかが大事だということです。

 開業医は通常、医師免許を取った時から開業しているわけではなく、大学病院などをはじめとした大きな病院で研究や臨床の実績を積んだ上で、開業に至っている(もしくは後を継ぐ)のが普通だそうです。

 こうした大きな病院では、同じ内科の中でも細かい「分業制」を敷いているそうで、同じ内科でも、呼吸器内科なのか循環器内科なのか消化器内科なのか神経内科なのか、はたまた血液内科なのかで、扱う疾患も大きく異なってくるということです。

 そして、専門医資格も、真っ当な内科医であれば誰でも持っている「内科専門医」の“2階建て”的な形で、「呼吸器」、「循環器」、「消化器内科」、「神経内科」、「血液内科」といったように、臓器別の専門医資格があるそうです。

 その内科の先生がどんな科で診療・トレーニングを積んできたか、どんな専門医資格を持っているかは、大抵の場合はそのクリニックのウェブサイトで先生の経歴を見たら出てきるので、是非チェックするようして下さい。

 そして、お腹の症状なら消化器内科、しつこい咳が続くなら呼吸器内科、血圧や血糖値が気になるのなら循環器内科、といったように、自分が悩まされてる症状がはっきりしている場合は、先生たちの「出自」によって受診する先を変えると、より質の高い診療を受けられる確率が高まると思われます。

 なお、出自が外科系の医師が開業して内科を名乗る場合も数多くあるそうです。こうした“元外科医”が素晴らしい内科開業医になる場合もないわけないですが、専門性に関しては割り引いて考えておいた方が良いと思われます。

◆こんな場合、何科にかかる?
 そもそもどの診療科のクリニックに受診したら良いのか、迷うようなケースもあると思われますので、2つほど例を紹介します。

<ひどい傷や火傷ができた場合>
 救急受診は別として、ひどい傷や火傷などを負った時、どの科を受診したら良いでしょうか? 外科かなあくらいに思う方はいるかもしれませんが、外科も実は幅が広いのだそうです。

 外科系の医師も、「脳神経外科」、「呼吸器外科」、「消化器外科」、「心臓血管外科」、「整形外科」etcと、“出自”は幅広くあります。ちなみに、今挙げた科は、どれも上記の状態にズバリの外科ではありません。鈴木さんはこの場合、「形成外科」の専門医資格を持った医師の受診を勧めるそうです。

 形成外科医は、あまり馴染みが無いかも知れませんが、鈴木さんによると、「形成外科」は端的に言えば「修復のプロ」だからです。

 日本形成外科学会のHPには、

「形成外科とは、身体に生じた組織の異常や変形、欠損、あるいは整容的な不満足に対して、あらゆる手法や特殊な技術を駆使し、機能のみならず形態的にもより正常に、より美しくすることによって、みなさまの生活の質 "Quality of Life" の向上に貢献する、外科系の専門領域です」

とあります。

 鈴木さんによると、同じ外的な損傷でも、骨、筋肉、関節の損傷については整形外科が本職で、「形成外科」と「整形外科」は、似たような響きなのですが、異なる科であるということです。

<長く続く頭痛に悩まされている場合>
 頭痛はよくある症状なので、まあ内科かなと思う人もいれば、「アタマ」のことだから、脳神経外科と思う人もいるかも知れません。もしくは「痛み」なので「ペインクリニック」が良いのでしょうか。

 鈴木さんによると、実は頭痛に関しては、めずらしく「症状」単位で学会とそれに付随する専門医制度が整っていて、「頭痛専門医」がいるそうです。(日本頭痛学会 認定頭痛専門医一覧 参照)

 鈴木さんによると、出身科としては、神経内科、脳神経外科、麻酔科(ペインクリニック)、と色々入り乱れているそうですが、どの医師も「頭痛」治療のプロだそうで、2013年時点で778名とかなり数の限られた「専門医」なのので、もし近隣に頭痛専門医がいるのであれば、頭痛持ちのかたにとっては、かなりラッキーと言えるそうです。

◆「かかりつけ医」の選び方
 でも、「出自」や「専門医資格」を逐一調べるのは面倒くさいですし、複数の症状や持病がある場合はどうするか困ってしまいますよね。

 どんな症状でもしっかり“診立て”ができて、一定レベルの治療を行ない、必要に応じて専門性の高い病院に紹介してくれるような、“ワンストップ”の「かかりつけ医」はいないのでしょうか。

 鈴木さんによると、実は「プライマリケア医」「総合診療医」「家庭医」と呼ばれるような医師こそ、かかりつけ医に相応しいということです(呼称は異なりますが、どれも原則同じようなものだそうです)。

 これまでの日本の医療システムは、専門毎に「たこつぼ化」しがちで、「かかりつけ」を担えるような総合力のある医師をあまり育てられて来ていないのだそうですが、鈴木さんによると、その反省からなのか、2018年4月から始まった新専門医制度では、「総合診療専門医」という資格を新たに設け、遅まきながらそうした医師を育てていく方向に舵を切ってきているということです。

 この「総合診療専門医」は、できたばかりでまだリストも存在しない状態だそうですが、日本プライマリ・ケア連合学会という学会が認定している「家庭医療専門医」は少なくとも必要な要件を満たしていると考えられますので、かかりつけ医を見つけたい場合は、まずはここから探してみるのが良いということです。(日本プライマリ・ケア連合学会 家庭医療専門医制度:専門医一覧 参照)

 “開業医”の見分け方のコツをご紹介してきましたが、いかがですか?

 開業医は、いわゆる「病医院検索サイト」でもある程度の情報は得られるそうですが、しかし、こうした「病医院検索サイト」は、広告費などの形で開業医から資金を得てサイトを運営しているところが数多くあり、またタウン情報誌なども、同様の構造があるそうで、こうした巷にあふれる医療情報は、不確かでバイアスがかかっているものが多いということは、肝に銘じておいた方が良いのではないでしょうか。

 最後に、鈴木 英介さんのプロフィールをご紹介しておきます。

【鈴木 英介(すずき・えいすけ)】医療コンサルタント
東京大学経済学部、ダートマス大学経営大学院卒(MBA)。住友電気工業、ボストンコンサルティンググループ、ヤンセンファーマを経て、2009年に「”納得の医療”を創る」を掲げ、「株式会社メディカル・インサイト」を設立。ヘルスケア領域でマーケティング/営業戦略の立案・遂行をサポートする戦略コンサルティングや、患者ニーズと医療者の意識のギャップをあぶり出す患者調査・医師調査を手がける。2016年には、株式会社ソニックガーデンと共に「株式会社イシュラン」を設立し、がん患者の病院・医師選びをサポートする情報サイト「イシュラン」、無料医療メルマガ「イシュラン」を運営する。

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posted by ケイちゃん at 18:23| Comment(0) | 病気 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする