
健康のためには、ふだん意識していない「日常動作」にこそ秘訣があるそうで、その一つに歩き方があります。どういうことかと言うと、歩き方の意識を少し変えるだけで、様々な健康リスクが軽減されるそうです。例えば、ちょっと出掛けるくらいなら靴ではなくサンダルを履く人も多いと思いますが、実はサンダル歩きは、健康には逆効果なのだそうです。
今日は、東京都健康長寿医療センター研究所の谷口優さん、総合内科専門医で『長生きするのはどっち?』の著者である秋津壽男医師のお話をもとに、健康寿命を延ばす歩き方について、ご紹介したいと思います。
◆サンダル履きが健康に逆効果な理由
谷口さんによると、サンダル履きが健康に逆効果な理由は次のとおりです。
「人間が歩く時は、まず足裏のかかとで地面をとらえて、それからつま先の親指に向けて体重を移行します。
かかとが固定されていないサンダルでは、最初に地面に接してからつま先までうまく体重を運ぶことができず、足首の関節や膝に負担がかかり、膝痛などの原因になります」(谷口さん)
ただし、かかとが覆われている靴を履けばなんでも良いというわけでもなくて、
「革靴は靴底が硬く、歩いた衝撃を吸収できず膝がダメージを受ける。靴底が柔らかく衝撃を受け止める、スニーカーならこのリスクを防ぐことができます。屋内なら、スリッパよりも裸足のほうが転倒リスクを減らせるでしょう」(谷口さん)
◆ウォーキングは「朝」より「夕方」
暑い時期は熱中症予防のため日中を避けて運動している人も多いと思いますが、実は、ウォーキングを「朝」にするか「夕」にするかでは大きな違いが出てくるそうです。
健康にとってベストな時間帯は「夕方」だそうで、秋津医師によると、
「人は体温が下がる時に寝付きがよくなるといわれています。そのため、夕方にウォーキングして体温を上げれば、夜に向けてゆるやかに体温が下がり、スムーズに眠りにつくことができます」
ということです。
またその一方で「朝」歩くことには、大きな落とし穴があるそうです。
「人間は就寝中に体温調整のために大量の汗をかくため、起床直後は体内の水分量が少なくなり血液もドロドロになる。この状態で運動を始めると、心疾患や脳卒中のリスクが高まるといわれています」(秋津医師)
◆「1日1万歩」は歩き過ぎ
健康を維持するための目標となる歩数としてよく言われるのが「1日1万歩」ですが、大規模研究でその効果は否定されているそうです。
東京都健康長寿医療センター研究所が65歳以上の日本人5000人に対して行なった17年間の追跡調査では、1日8000歩が健康効果の最大値で、それ以上歩いても健康増進や病気予防にはほとんど効果がなかったということです。
それどころか、過度のウォーキングは膝や腰などの関節痛をもたらしているそうで、膝の軟骨がすり減り、人工関節手術を受けざるを得なくなったケースもあったということです。こうした事例を踏まえて谷口さんは次のように提言されています。
「過度のウォーキングはかえって健康を損ねる怖れがあります。運動習慣のない65〜74歳は1日7000歩、75歳以上は1日5000歩が目安です」(谷口さん)
いかがですか?
あなたも、夕刻にウォーキングを実践してみてはいかがでしょうか。
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