2020年01月14日

女性のがん死1位のがんは、何がんだと思いますか?


大腸がんのイメージ画像.jpg

 罹患(りかん)数2位、死亡数1位の、女性にとって最も身近ながんって、何だか分かりますか? それは、大腸がんです。(ちなみに、罹患数1位のがんは乳がんです。)

 この大腸がん、特に40代以降はリスクが急増するそうです。今日は、大腸がんってどんな病気なのか、命を落とさないために、どうしたらいいのかということについて、東京医科歯科大学大学院応用腫瘍学講座の石黒めぐみ准教授のお話をもとに、ご紹介したいと思います。

◆女性のがん死トップの大腸がん、40歳からリスク急増

大腸がんの年間罹患数のグラフ.jpg

 女性のがんでまず思い浮かべるのは乳がんですが、大腸がんも忘れてはいけないそうです。上のグラフを見ていただくと分かるように、新たに大腸がんと診断される人の数は、男女ともに急増し、この40年近くで7倍以上に増えているそうです((データ:国立がん研究センターがん情報サービス「がん登録・統計」地域がん登録全国推計によるがん罹患データに基づく)

 最初に申し上げた通り、大腸がんの女性の罹患数は乳がんに次いで2位、死亡数は1位なのですが、なぜこんなに増えているのでしょうか。これについて石黒めぐみ先生は、

 「理由は大きく3つ挙げられます。1つは日本が『先進国』になったから。大腸がんの発症には高脂肪食や肥満、運動不足など、先進国特有の生活習慣が関係しています。2つめは高齢者の増加。大腸がんは40歳以降、加齢とともに罹患率が急増します。そして3つめが、診断される人が増えたから。がん検診や内視鏡検査などで、以前よりがんを見つけやすくなったことも大きいですね」。

と説明されています。

 大腸がんというのは、大腸の粘膜に発生するがんのことです。全長1.5〜2mの大腸は結腸と直腸からなっていいて、がんの約7割は肛門に近い直腸とS状結腸に発生しているということです。

「直腸がんだと便に赤い血が混じるので、痔と間違えやすい。S状結腸がんでは、赤黒い血便や粘液と血液が混じった粘血便が出ることが多いです。大腸がんの症状には、一般に便に血がつく血便や排便時の出血、便秘になる、便秘と下痢を繰り返す、スッキリ出ない、便が細くなる、などがありますが、これらの症状が現れるのはがんがかなり大きくなってから。早期はほぼ症状がなく、検診などで見つかることがほとんどです。
 なお、女性は男性より結腸がんの割合が多く、高齢になるほど増えてきます。お腹の右側の盲腸・上行結腸は肛門から遠く、進行しても出血や排便異常などの症状が現れにくいので、発見が遅れがちです」(石黒めぐみ先生)

 女性のがんには、女性ホルモンが大きく関わるがんと加齢によるがんがあるそうで、前者の代表が乳がん、そして後者の代表が大腸がんだそうです。乳がんの罹患率は40〜60代でピークを迎えるのですが、大腸がんは逆に40代から右肩上がりに増えていくということです。

「大腸がんは生活習慣と遺伝的要因の両方が密接に関係しています。生活習慣に関わるがんは、年齢が上がるほどリスクが上がるもの。いわば長寿の代償です。自治体の大腸がん検診が始まる40歳からが、まさに『大腸がん年齢』なのです。
 一方で、少数ながら40歳未満で発症する人も。この場合は遺伝的要因が大きいと考えられます。例えば大腸がんになった血縁者がいる人は、そうでない人より発症リスクが2〜3倍高くなるとされます。心当たりのある人は40歳より前から定期的な検診を受けてほしいですね」(石黒めぐみ先生)

 では大腸がんの予防は可能なのでしょうか? これについて石黒めぐみ先生は、

「肥満や過度の飲酒は大腸がんのリスクを増やし、運動はリスクを減らすといわれています。ただし、どれだけ生活習慣に気をつけていても、なるときはなる。つまり、大腸がんを完璧に防ぐことはできないのです。だからこそ大事なのは早く見つけて治すこと。これに尽きます!」

と話しておられます。

◆早期なら内視鏡治療で9割以上が治る

大腸がんの5年生存率のグラフ.jpg

 2人に1人はがんになる時代なので、どんなに予防に努めていても大腸がんにならないとは限りません。そこで石黒めぐみ准教授が強調されているのが「治る段階で見つける」大切さです。

「実は、大腸がんは『治りやすいがん』の一つ。がんが粘膜下層の浅い部分にとどまっている早期がんなら、治療後の5年生存率は9割以上で、ほぼ完治が見込めます。しかも、早期なら負担の軽い内視鏡治療で済みます。きちんと治せるところで発見する─。これが一番大事ですね」(石黒めぐみ先生)

 そしてその早く見つける方法については、

 「ズバリ、検診です。これしかありません。ぜひ受けてほしいのが便潜血検査、いわゆる検便です。簡単な方法ながら、毎年受けることで大腸がんによる死亡率を6〜7割減らせると証明されています。がん検診の中で最も有効性が確立された検診法といえます。ただ、女性は男性より受診率が低いのが実情。まだの人は早速、今年から地域のがん検診や人間ドックでの検査をお薦めします」(石黒めぐみ先生)

 大腸がんの治療には内視鏡治療、開腹、腹腔(ふくくう)鏡などの手術、化学療法、放射線療法があり、進行度に応じて治療法が決まるそうですが、早期がんへの内視鏡治療は、この10年ほどで目覚ましい進歩を遂げたということです。

「茎のあるキノコのような形のがんを切り取る『ポリペクトミー』という方法は以前からありましたが、2012年、新たに『ESD(内視鏡的粘膜下層はく離術)』が保険適用になりました。これだとより大きながんでも切除できるので、内視鏡治療で済む人が劇的に増えました。
 手術は腹腔鏡手術が普及し、今では約7割を占めています。お腹に小さな穴を4〜5個開けて器具を入れ、カメラで内部を映しながら手術をします。開腹手術に比べて術後の痛みが少なく、回復も早いのが特長です。
 化学療法も分子標的薬が登場するなど、この10年余りで飛躍的に進歩しました。転移や再発の場合でも、化学療法でがんを小さくして、手術できる例が増えてきました」(石黒めぐみ先生)

 また、がんの場所によっては、手術後に人工肛門になることもあるそうで、

 「直腸がんの場合は、主にがんの場所によって肛門を残せるかが決まります。医療機関によって判断が異なることもありますから、迷ったらセカンドオピニオンを。最近は『ISR(括約筋間直腸切除術)』という、より肛門に近いがんでも肛門を残せる手術も登場しています。ただ人工肛門もずいぶん装具が改良され、日常生活での制限はほとんどなくなりました。普通に仕事をして、乗馬やフルマラソンを楽しんでいる人もいますよ。
 男女で比較すると、治療後の生存率は女性の方がよい傾向があります。やはり女性は強くできているのかもしれませんね」(石黒めぐみ先生)

ということです。

 いかがですか?

 大腸がんの早期発見のためには、毎年の検診が大切なのですね。私も最近は受けてないので、検診を受けないといけないなと思いました。

 最後に、石黒めぐみ先生のプロフィールをご紹介しておきます。

石黒めぐみ先生 東京医科歯科大学大学院応用腫瘍学講座准教授。1998年、東京医科歯科大学医学部卒業。同大第二外科(現・腫瘍外科学)入局、同大大学院腫瘍外科学特任助教などを経て、現職。2009年から「大腸癌治療ガイドライン」作成委員も務める。著書(監修)に『大腸がんを生きるガイド』(日経BP社)など。

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posted by ケイちゃん at 17:47| Comment(0) | 病気 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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