2019年06月28日

疲労回復に効果があるイミダゾールジペプチドは、ササミやマグロに多く含まれているそうです


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 あなたは、「イミダゾールジペプチド」ということば、聞いたことがありますか? このイミダゾールジペプチドは、「抗疲労成分」の一つだそうで、最近の研究で脳機能低下の予防にも役立つことが明らかになってきているそうです。

 今日は、イミダゾールジペプチドの働きや、含まれる食品と、調理のポイントなどについて、ご紹介したいと思います。

◆抗疲労成分として注目されるイミダゾールジペプチド
 現代人には慢性的な疲労を感じる人が多く、「抗疲労」は今注目されている分野だそうです。老化や生活習慣病だけでなく、疲労も活性酸素が体内で増えることで細胞を傷めて身体機能が低下することが原因と考えられています。そうした中、運動性の疲労状態を抑制する成分の一つであり、その有効性が特に高いと注目されているのがイミダゾールジペプチドです。

 イミダゾールジペプチドとは、カルノシンとアンセリンという(β-アラニンとL-ヒスチジンが結合した)ジペプチドの総称で、渡り鳥やカツオやマグロといった回遊魚など、長時間にわたって運動する生物の骨格筋中に多く含まれているのだそうです。

 イミダゾールジペプチドは、ヒトが経口摂取した場合、骨格筋に移行することが報告されていることから、抗疲労物質として有望と考えられています。

◆脳の疲労を緩和! うつや認知症予防にも期待
 またつい最近では、東京大学の研究(アルツハイマー病モデルマウスを用いた実験)で、イミダゾールジペプチドの一つカルノシンが脳の疲労を緩和することで、記憶機能の低下を回避し、認知症予防作用があることも発見されました。

 今後は、その作用メカニズムの解明や臨床試験を通じて、さらに検証を進めていかれることとなりますが、日本社会は4人に一人が高齢者となり、認知症患者が急増しており、認知症の新しい予防法を開発するものとして期待が寄せられているそうです。

 さらに同大学では、鶏肉に含まれるイミダゾールジペプチド含有食品の3ヶ月間摂取することにより、摂取後に記憶に関連する脳部位の萎縮が抑制され、うつ傾向と認知機能に改善傾向が認められたと報告しているそうです。

 また、毎日の食事の中で、食肉や魚肉を適量摂取することは、体にとって必要なイミダゾールジペプチドを適切に補うことにつながり、結果として脳や心の健康維持に貢献する可能性が期待される。 と、報告されています。

◆動き続ける鶏や魚に含まれるイミダゾールジペプチド
 では、イミダゾールジペプチドは、どのような食品に含まれているのでしょうか。実はイミダゾールジペプチドは、私たちヒトやブタ、ウシ、魚等も含めて活動する動物には含まれているそうですが、特に鶏胸肉やササミ、カツオやマグロ、クジラなどには多く含まれているということです。

 実はこのアミノ酸が発見されたのは、もう100年も前のことだそうで、様々な種類の脊椎動物で発見されましたが、渡り鳥の骨格筋中に豊富に含まれていることが分かったそうです。

 中でも羽を動かす胸肉の部分に、特に豊富に含まれていることがわかったということです。鶏は、羽根が退化して飛べない鳥ですが、やはり鶏胸肉にはイミダゾールジペプチドが多く含まれていて、個体差もあるようですが、100g中に数百mg含まれていると見られているそうです。

 一方、様々な研究から、イミダゾールジペプチドについて、安全性に問題のない一日の接収量の目安は、200〜400mgと考えられています。ただし、これは一回摂取すればたちまち効くというようなものではなく、毎日疲労を自覚している健常者を対象にした、摂取後数週間後の試験という条件の下での結果です。

◆煮込み料理が無駄なく! イミダゾールジペプチドの食べ方
 次にイミダゾールジペプチドの効率の良い食べ方についてです。イミダゾールジペプチドは水溶性アミノ酸なので、肉汁の流出量に応じて損失量は多くなります。ですから、肉汁の損失を減らすためには、スープやシチューのように煮込み料理にして煮汁ごと食べると、水分に溶け出したイミダゾールジペプチドを摂取しやすいそうです。

 また近年は調理器具メーカーでも、イミダゾールジペプチドへの影響についての研究を熱心に行っていて、例えば真空保温調理の「シャトルシェフ」(サーモス株式会社)では、「保温調理によって約9割残存させる」という測定結果を発表しているそうです。

 これは蒸す、茹でるという調理と比較しても高く、保温調理は肉汁の損失が少ないことによるものと考えられています。他にもウォーターオーブン「ヘルシオ」(シャープ)の一部商品でも、一般の蒸し器で調理した場合と比べて残存率が高いとしているそうです。

◆高齢社会で課題となる日常での心身の健康づくり
 近年、魚は積極的に食べるようにと勧められますが、一方でメタボ予防のため肉類は控えめにしている人もいます。確かに食べ過ぎて肥満にいたっている人がさらに食べ過ぎるのは論外ですが、かと言って全く食べないのも問題だと思います。特に今問題となってきているのが、老人で肉類摂取が極端に少ない人がいることで、その結果栄養不足からの筋肉減少(サルコペニア)などが問題となっているのだそうです。

 これに関する日本ハムと埼玉県立大学の研究報告によると、カルノシン,アンセリンを高濃度に含有する鶏肉抽出物の摂取が、中高齢者(20名での実験)の筋力の向上に有効という考えを示しているそうです。

 また若い女性でベジタリアン志向などから、肉や魚の動物性食品をまったく食べない人もいて、中には貧血などから疲労感が抜けず、体調不良になる人もいます。肉や魚は吸収のよい鉄分を含むので、体調を考えずにあまり極端に避けるのも問題だと言えます。

 このように、魚と共に肉類も良質のタンパク源であり、食べ過ぎは良くありませんが、適度に摂取することは、私たちの健康を維持する上で必要なことです。

 また栄養学的に基本的なことですが、イミダゾールジペプチドが良いからといって、肉や魚に偏った食べ方をするのではなく、エネルギーとなる栄養素や、代謝に関わり体の調子を整えるビタミン、ミネラル、他に食物繊維など、幅広い食品から様々な栄養成分を摂取することが重要になります。

 いかがですか?

 幅広い食品から様々な栄養成分を摂取し、かつ食べ過ぎないというのを、なかなか難しいかも知れませんが、できるだけ心がけたいものですね。

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参考/
・肉類ペプチドに脳萎縮抑制効果・神経心理機能強化の可能性(東京大学大学院新領域創成科学研究科)
・新機抗疲労能成分:イミダゾールジペプチド(日本補完代替医療学会誌)
・イミダゾールジペプチド配合飲料の日常作業の中で疲労を自覚している健常者に対する継続摂取による有用性(Jpn Pharmacol Ther vol.37 no.3 2009)
・鯨類捕獲調査で得られた鯨類体内におけるイミダゾールジペプチド類の比較(北水試研報 74,25-28 2009)
・大阪市立大学 健康科学イノベーションセンター
・鶏肉抽出物の摂取が中高齢者の筋力に及ぼす影響(日本食品科学工学会誌Vol.59(2012)No.4p.182-185)
・保温調理に関する共同研究報告(サーモス株式会社)その他

posted by ケイちゃん at 18:33| Comment(0) | 健康 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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